[コメント] 白昼の通り魔(1966/日)
愛は無償の行為であるか。いや、それは時に命すら投げ出すことを強いる凶悪なエゴの「化け物」だ。そして、愛のため命を捨てることを拒絶した者は、ただ敗北者として彷徨い続けるしかないのだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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淫蕩な匂いを漂わせている川口小枝であるが、彼女は最後まで愛に祝福された女にはなり得なかった。戸浦六宏に抱かれることはあっても、その愛を完結させるために彼と心中することは叶わず、佐藤慶に抱かれても、彼と添い遂げたのはセックスの香りなどとは無縁に見える小山明子であり、彼女ではなかった。川口がつねに愛の玩具だったのとは対照的に、偽善者とくさされた小山は愛に死んだのだ。
川口は死んだ小山を肩に担いで歩く。その足取りは力強いが、彼女にもう目的などはない。生きて何を為すべきなのだろう?愛の敗北者は、世間に責められずともおのれの内なる声に永遠に責められ続けるのだ。
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