[コメント] サプライズ(2011/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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伏線なども複雑でなく、殺人鬼たちとの戦いでの戦術の凝り方もほどほどで、ちょっと離席しても話がわからなくなることはまずない。そういうパーティ的鑑賞スタイルにはもってこい。
砦の攻防であれば、舞台となる別荘の間取りの配置や、並行して行われる別々の組のエピソードを交互に編集するなどによって面白さが増大するので、そこに力を割きそうなものだが、あまりそういうところにこだわっていない感じがする。鑑賞に集中を強いるスタイルにはなっていない。今リビングでは誰と誰がいて、同時に2階では誰が誰と…みたいに頭を使わなくてもよい(実際きちんと考えて作られていないのか、登場人物全員が1か所に集まっている状況で館内で殺人がおきているのに、しばらくは誰も「誰かわれわれ以外の人間がここにいるのではないか!」というふうな恐怖を抱かないなど、登場人物の心理面からすればおかしな描写がいくつもあった)。
アニマルマスクの殺人鬼たちも、早々と理性に基づいた意識ある行動をしているまともな人物であることがわかる。キーアートで使われているあの微妙にリアルな動物の覆面の得体の知れない不気味さは、マスクから露出している後頭部の禿頭(なぜか殺人鬼たちはみなこれだ)でユーモラスと生っぽさを感じさせ、ふつうの人間味を露呈し、安心感を与えてしまうのだ。
要は、よけいな不安を味わわず、観ている間だけの刺激の強さを大事にした作り方で、スポーツのようなホラーサスペンスを観たい層に作り手も適したものを作っている、という感じだ。
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