[コメント] 県警対組織暴力(1975/日)
象徴的な使われ方をしているダンヒルのライターに、菅原文太の深みのある人生が見えてくる。
川谷拓三はこの映画の熱演を機に、俳優として認められたそうだが、それでもこの映画で演じた人柄というか、性格みたいなものは、その後の役者人生に受け継がれているように見えた。
一方、若き日の田中邦衛も登場しているが、さりげなく大原組長の襟をなおしたり、控えめでありながらまるで姑のように大原組長の世話をする、所作にそれとなくしなをつくって見せるなど、はっきり本人たちが語らなくても、この二人が刑務所でどういう関係であったのか、周囲に知らせる優れた演技をしていたんじゃないだろうか。
そして、この演技が認められ田中邦衛が以降、そういう役柄ばかりこなすようにならなかったことは、本人にとっても、日本映画界にとっても、僥倖ではなかっただろうか。
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