[コメント] インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013/米)
「古くて新しい歌」の呪縛から抜け出せない、保守派というよりは郷愁派の、この「金の臭いのしない」歌うたいにとって、60年代という時代は「終幕の時」だったのだ。自分ではドン詰まりに気づいていない男の滑稽は、時代に置き去りされる者の寂寥の裏返しでもある。
政治的メッセージを持ちながらもポピュリズムと呼応するよに、心地よさに訴えかけるPPM的プチブル音楽を本能的に避けながら、一方では詩情のなかにラジカルな攻撃性を込めたディラン的革新性など持ち合わせぬフォークシンガーの閉塞。
何かが始まるときには、何かが終わる。当然のことだ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。