コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] her 世界でひとつの彼女(2013/米)

着眼点が面白い。作品の世界観といい、非常に心地よい。声だけの出演で評価されたスカーレット・ヨハンソンは確かに魅力的であった。
deenity

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







一言でまとめるならOSとの恋を描いた映画。OSは現実の女性とは違って身体こそ無いものの、理想的で常に話を聞き、そばにいて、思ってくれる。それぞれの価値観はあれど、憧れる人が多いと思う。 特に何が一番違うかっていうとOSは抽象的であること。サマンサも言っていたけど、「身体がない分どこにだって一緒について行くことができる。」これはミロのヴィーナスなんかとも同じで、あえてないからこそ想像の余地ができ、イメージし、美化することができるのだと思う。誠にこの点に着目したことは素晴らしく、多くの人間が捉われても不思議じゃないな、と感じた。

ただ結局の所、問題となるのは具体的も抽象的も変わらない。セオドアは同じ壁にぶつかった。一緒にいる。共に時間を過ごす。幸せなことだ。だけどずっと一緒なんてことはありえない。互いにどこかで違う誰かと話したり違う経験をする中で変化し成長する。セオドアはそれを受け入れられなかったから離婚した。でもそれはOSだって同じこと。変化し、成長する。問題はそこなのだ。要は共に日々変わっていく成長していくことを受け入れながら過ごしていけるか、がポイントである。自分の理想の型に当てはめるのでは例えOSでも上手くいかない。 実に面白い視点に着目した映画だと思った。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。