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[コメント] ジャージー・ボーイズ(2014/米)

夢みる青年たちによる綺麗ごとの積み重ねではない、スターを目指し生きる上でのジェラシーや抗争の日々。その「汚れた」出自と、やくざとの絶ち切り得ない絆をあからさまにした芸能生活描写は、わが国の芸能ニュースにも多々みられることであり、そうした醜聞を含めて自分らを振り返ってほしいメンバーの渇望にも似た意志がここには充満している。
水那岐

メンバーは製作総指揮にも名をつらねていることに気づかされるが、彼らがカメラに向けて語る事実の吐露も、そうした自慢でも自虐でもない自らの純粋な意思を感じさせる。ムーディな音楽映画かと勘違いし、「これはクリント・イーストウッドには不似合いな映画じゃないか」と思ってしまった早とちりな自分であったが、堅実な語り口も含めてこれはイーストウッドに相応しい題材と今は感じ取れる。保守的な人間劇は、もちろんのことイーストウッドの自家薬籠中のアイディアであるのだから。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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