[コメント] 物語る私たち(2012/カナダ)
単純に区切ってしまえば30分で描ききれる題材を、1時間半強の時間をかけてゆったりと描写してゆく意味はといえば、やはり人情の機微をあちこちに散りばめるサラ・ポーリーの懐の深さなのだろう。悪女と断じられても言い返せない彼女の母に寄せるサラの心情は、『死ぬまでにしたい十のこと』のチョイワル主婦ならではだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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『死ぬまでに…』では、死病に冒されて余命わずかな若妻が、夫や息子にもありあまる愛情を注ぎつつも「死ぬまでに見知らぬ男をハントする」などというけしからん誓いをたててしまう。ドロドロした昼メロの世界とは無縁の、なんとあっけらかんとした望みであろうか。サラの人生哲学は、このポジティブな生活讃歌に裏打ちされたものだろう。これゆえに彼女は、やり直しのきかない人生をたっぷり楽しみたい人々に快哉をもって迎えられる作品を提供しつづけるのだろう。
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