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[コメント] おみおくりの作法(2013/英=伊)

中盤まで、それほど大きな抑揚があるわけではないから、夜勤明けの鑑賞はキツかったんだが、終盤、いやラストの2分に涙が止まらない。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







たまたま名古屋ローカルのTVでLILICOが絶賛していたので、気にはなっていたんだが、名古屋では単館系の映画館でしか上映してなかったので、見逃すところだった。

前述のとおり、夜勤明けで、少しウトウトしながらの鑑賞だったので、100%を把握できていないのだが、終盤最後の5分ぐらいから、「えっ?あっ、うそー、そんな、まじで?、待ってよ、ちょっと待ってよ、うそ、そんな、気づいてよ、お願い気づいてよ、待ってよ、待って・・・・・・、えっ、ええっ?えええぇ!、あ゛〜あ゛〜(号泣)」ってな感じでした。絶対もう一度見てやる!今度は万全な体調で、もう一度見てやる。

それまでは、仮の4点。

-------再度鑑賞。3度目も鑑賞。

やっぱり5点に格上げします。

ビリー・ストークの人生を「非凡」といったジョン・メイ。ビリーの人生を辿っていくうち、孤独で、恋人も友人もいない、何もない自分自身との違いを肌で感じていたに違いない。ココアを飲んだり、魚を焼いてみたり(失敗したけど)、飲めないお酒を回し飲みしてみたり、アイスを食べたり。上司の車への立小便もね。そういう「日常」と違うことで。ようやくジョン・メイ自身の「STILL LIFE(止まった人生、と私は訳しました)」は動き出した。

ジョン自身はあまり余計なことは話しません。周りの人間が話します。プラチェット氏「死者の想いなんて存在しない」、ホームレス「欲しいのは、一緒に隣に寄り添ってくれる人」。ジョンの心を動かす言葉が、後々重要になる。

水色のベストを着たジョン・メイ。それだけでずいぶん印象が変わったが、ケリーを電車で見送るときの「微笑み」が、なんとも優しい。それがとても印象的だった。この映画を思い出すとき、「この微笑み」が最初に思い出される。

最後の「あれ」。御伽噺のようかもしれないけど、わたしはこのシーンが愛しい。プラチェット氏のあの冷たい台詞を覆す、決して明るいシーンではないが、わたしは「奇跡」だったと思いたい。一度目の時には「それ自体」に号泣してしまったが、2度目、3度目は、ものすごく愛しい気持ちで見送った。ジョン・メイ、あなたのしてきたことは間違いではなかったんだよ、と伝えてあげたい。そして毎回号泣です。

(評価:★5)

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