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[コメント] エイプリルフールズ(2015/日)

天才・古沢良太の一流素材を二流料理人が調理したような映画。ただ、寺島進には泣かされる。あと、芋けんぴとトカレフが欲しくなる。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







とても良く出来た脚本で話も面白いんですけど、映画として面白いかと問われると、さーて、どうかな?

岡田恵和とクドカンと並んで、その脚本のドラマは必ず観る古沢良太。私の御三家。 これ、フジテレビ製作のせいで「リーガル・ハイ」や「デート 恋とはどんなものかしら」の路線を狙ったのか、ゴチャゴチャワチャワチャしながら笑って泣かせる“喜劇の王道”的なことを狙っているような気がします。いやまあ、私が見初めたのも『キサラギ』だから、それはそれでいいんだけど、個人的には「ゴンゾウ」とか「外事警察」とか「鈴木先生」とか、ガチな路線も好きなんです。 つまり何が言いたいかというと、“想定内”に収まってほしくないなあ、と。 ここに挙げたドラマは、「どうなっちゃうの!?どうなっちゃうの!?」って二度も言っちゃうほど先の読めない魅力があるのですが、この映画は(オチが分かるとかいうことではなく)想定の範囲内で小ぢんまりまとまってしまった気がするのです。破天荒ならいいってもんじゃないけどね。

それに、『三丁目の夕日』でも思ったんだけど、映画だと一言多い気がするのです。 例えば本作のラストに「現実を受け入れよう」的なことを言うでしょ。これ、待っている友人たちを見て笑顔になるとか、友人たちの方へ走って行くとか、そういう“画面”で見せるだけで充分な気がするのです。 こういうのは脚本なのか監督の力量なのか分かりませんがね。 話運びなんかは天才的なので、もったいなあと思うのです。 「楽しかった」より「もったいない」という感想が先に出てしまう。

「テレビで充分」とは言いたくないけど、「テレビ映画だなぁ」と思ってしまうのです。

(15.04.04 ユナイテッド・シネマとしまえんにて鑑賞)

(評価:★3)

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