壇上で"lexicon"が出てこない...自分におきていることを直視せざるを得なくなる感じ、さすがはジュリアン・ムーア！

言語学者は科学者の端くれだから、目の前で起きている（というか、自分に起きていること）を客観的に観察して受け入れなければならないのはわかっているが、ほかの病気ならともかく、学者に重要な器官である脳がピンチとなれば、人間としてはなかなか受け入れられないだろう。でも、アリスはかなり幸せな方なんじゃないかな。

トイレがわからなくなって、おしっこ漏らしちゃっても、やさしく面倒を見てくれる夫！ほんとにこんな人いるのか？なんて、私などは思っちゃうけど(笑)

美しく聡明な自慢の妻が突然アルツハイマー病になって、突然の介護生活。親の介護だって逃げ出したいのに、他人である妻の介護から逃げだすことなく、しっかり向き合ってくれる夫がいるなんて、うらやましいです。

最期の瞬間まで、「その人らしく生き抜く」。介護とは、そのためのちょっとした手助けなのかもしれないな。と、カッコいいことを思わせてくれる映画でした。もっとも、現実の介護は、そんなきれいごとではすまされないんだろうけど。