[コメント] チャイルド44 森に消えた子供たち(2015/米)
猟奇ミステリとしては新味なし。虎の威を借る左遷夫に誠の愛を見つけ、疑心暗鬼から解放された妻が繰り広げる同志愛的過激アクションはいささか唐突。嘘も方便と苦渋の知恵で身分を回復しつつ、一党独裁のもと見失っていた個をとり戻す再生物語として少し面白い。
体制や大人の論理に虐げられる子供たち。独裁による理想と現実の齟齬が生む悲惨。権威への依存と実力の過信、そして個の回復と愛情の再生。持ち込まれたテーマの多様さは残念ながら映画の重厚さにまで昇華されず、絶望へ突き落とされることもなく、希望へと突き抜けることもないもどかしさが残る。
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