[コメント] ミニオンズ(2015/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
先に結論を言ってしまえば、小ネタは面白いけど話の本筋が面白くない。
最近何度か、昔の「トムとジェリー」を観る機会がありまして。歯医者とかカレー屋とかで(<どういうシチュエーションなんだよ)。あれ、本当にアニメーションの表現が素晴らしいんです。台詞なんかないのにとっても表現が豊か。格闘しているだけなのにアイディアが豊富。
一方、この『ミニオンズ』はやたら“喋り”で説明するんです。言葉通じないのに。 うまく説明できないけど、そうだなぁ、例えるならビックリする場面。「トムとジェリー」なら二度見して飛び上がったりするところを、この映画は平気で「えー!」って言っちゃう。例えるならそんな感じ。 アイディアも凡庸で、唯一そのキャラクターを活かした面白いアイディアが、絞首刑にしようとしたら寸胴ですり抜けてしまう、ってくらい。
また、“悪”に背徳の臭いがしないのも面白味がない。スカーレット・オーバーキルって名前は魅力的だけど、やってることにはそんなに“悪党感”がない。はっきり言って稚拙。強い女、悪い女ってのは、男を“叩きのめす”ことじゃなくて、男を“手玉にとる”ことなんですよ。要するに女悪党の理想形は峰不二子なんですよ。
1968年のロンドンが舞台ということで、「アビイ・ロード」パロディはともかく、音楽は面白かった。ビートルズ、ストーンズ、ジミヘンとか、UKロック風のBGMとか。でもミニオンズ自身は「モンキーズのテーマ」を歌ってて、その“一枚格下”感は絶妙だと思って、そこだけはやたら可笑しかった。
(15.08.14 ユナイテッド・シネマとしまえんにて鑑賞)
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