３人の女優たちそれぞれに味わいがある。ただ、クロエ・グレース・モレッツにはやや類型的な感じがしないでもない。当初、それは彼女がまだ１０代だから、人生経験に乏しい若者だから、とも思った。

しかしそのことを思うと、実は３人が３人ともある意味では類型的ではないだろうか。 クリスティン・スチュワートは、バリバリのやり手で働き盛りだが、２０代らしく仕事のやりがい、意味を求めて苦悩と葛藤がある。

そしてジュリエット・ビノシュは深みがあるようにも見えるが、４０代に突入して余裕こそあるものの、それ故にいろいろ考えてしまう、過去の積み重ねがあるからそれを思い出してしまう。

そういう意味では３人とも類型的ともいえるような気がするが、その３人がとてもうまく演出されているからこそ、観終わって、そう深く考えさせるわけではないけれども、「ああ、そうだよなあ。これも人生の一幕だよなあ。」と心地よい感慨を与えてくれる。

あとジュリエット・ビノシュは前半の髪の長いドレス姿の方が断然、色っぽかった。後半はショートカットにして、なんだか苦悩と葛藤の姿がストレートになりすぎてる気がした。