[コメント] 掟によって(1926/露)
春の到来とともに氷河が融解して、ぐるぐると流氷を漂わせながら氾濫してゆく一方の河畔の掘っ立て小屋に閉じ込められた生存者たちの心許なさが圧倒的!
暴風雨や稲光、庇を伝って激しく流れ落ちる雨水など、大自然の猛威を通して無音の画面を揺り動かす心理表現が傑出している。
そして嵐の夜に、死んだばずの男が墓場から蘇り、豪雨に打たれながらひたひたと近づいてくる!
悪夢のような一夜が明けた翌日、洪水後の海岸のパノラマが朝日を浴びて神々しいほど美しい。
こうして様々な試練を経て下される正義の鉄槌が、これまでの映像表現の論理的な帰結として晴朗なカタルシスを呼び起こす。
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