[コメント] 葛城事件(2016/日)
死刑制度に逃避するように、国家という他者に「絶望」の幕引きをゆだねることで自我の消滅をたくらむ稔(若葉竜也)と、妄信的に死刑制度を否定することで「絶望」から逃れ自我を確立しようとする順子(田中麗奈)は、共に存在への不安を抱えたコインの表裏。
そして、他人の「絶望」が理解できない葛城(三浦友和)は、本能的にマイホームという殻にこもり続けることで、自らの「絶望」的な状況からも目をそらし、存在への不安に耐えているのだろう。過去を自覚できない男に、当然、未来はない。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。