[コメント] 円卓 こっこ、ひと夏のイマジン(2014/日)
人は好奇心と想像力で成長する。社会と自分の関係や立ち位置を築くための原動力が好奇心なら、社会のなかの自分と他者の距離関係を創るための必須が想像力。ややもすると大人でも、そのバランスを見失う。今の世の中、想像力を欠いた好奇心の暴走が蔓延している。
映画初主演のせいもあるのか、いささか力みを感じる芦田愛菜ちゃんだが、その圧倒的な存在感は他の子役たちのなかにあって、ある種の異物感さえ漂わせる。この異物感は『悲しき口笛』や『東京キッド』で子役時代の美空ひばりを見たときに感じたものに似ている。
少し違うのは、芦田愛菜には芝居の流れのなかで見せるちょっとした表情やしぐさ、カメラ(観客)に向ける体の微妙な角度のとりかたといった、計算しているのか天然なのかわからない、伸びやかな身体性をより強く感じるという点だ。
美空ひばりが11歳で発散していた異物感が天才芸人のオーラだったとしたなら、芦田愛菜のそれは溢れ出す女優の感性の片鱗なのだろう。
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