もっと睾丸が縮むような怖さを出すべきじゃないか、と思いながら、ホッとしてもいる。やっぱり、電流や毒ガスや銃よりも、金槌で手を潰す、といった直接的な身体への攻撃が、痛く感じるのだ。

　あと、皆が感じることだと思いますが、一番目に拉致されるキム・ヨンミンが、全部で７役ぐらい、別の人物という体（てい）で出て来るのが、前半はけっこう混乱させられた。後半になると、やろうとしていることが、理解できてくるのだが、効果的には思えない。

　冒頭の女子高生拉致事件に関する帰結の見せ方は、犯人側においても、マ・ドンソク側においても、これでいいと思うけれど、「私はだれなのか」というのは大げさに感じる。単純にドンソクの存在感にはしびれた。

＃整備工場の社長のガールフレンドで『パラサイト』のパク・ソダムが出て来る。もうちょっと筋に絡むかと思ったが、ほんのチョイ役レベルだ。でも、逆に、筋に絡まない分、印象に残る。