[コメント] 神様の思し召し(2015/伊)
映画を見終った人むけのレビューです。
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後半になってから急に話の展開が早くなったような気がしないでもない。父親がピザ屋の隣に座った男性の脈を診るというシーンには、面食らうというか、わかるけどなんかわざとらしいなあという感じもする。
だが全体としては変に宗教に走ることもなく、相手を思いやることの大切さを説いたハートフルコメディという基本をしっかり堅持しているのはよい。
ダスティン・ホフマンのくだりには吹き出してしまうし、『レインマン』をゲイの映画にしてみたり、トム・クルーズの件は明るく笑ってしまう。
それに父親と神父の、何の前触れもない邂逅も出色で思わず吹き出した。娘夫婦の描き方も全体として微笑ましくて好ましい。妻は極端すぎる気がしないでもないが、美人だから許せる。
そして何より、本作の終わり方はすばらしい。唐突な事故からその結末を見せない。それまではずい分と観客サービスに徹した本作が、最後の最後で人生の深みを感じさせて終わる。
映画館ではそこそこ観客はいたがエンドクレジットが終わって客席に灯りがつくまでは誰も席を立たなかった。「ひょっとしたら、エンドクレジットの後でワンシーンが…」という期待もあったのだろうが、そんなことをしない潔さは今時、希有であって誉められて良いと思う。
ところでエンドクレジットをみていて気がついたのだが、最後の協賛企業か何かのロゴやベンツのロゴなどは、本編中にさりげない範囲ではあるが、けっこう目に付くように入り込んでいるものがあった。この辺りの事情は洋の東西を問わない、ということなのかなあと思いました。
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