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[コメント] マグニフィセント・セブン(2016/米)

正義だから勝ったのか、勝ったから正義なのかはともかく、「勝つ」には一抹の清々しさがありますね。
G31

 サム・チザム(デンゼル・ワシントン)は初め、自分以外に3人の男を探し出して力を借りようと思っていたわけですね。ここがちょっと分かりにくかったと思います。発端となった酒場に居合わせたファラデー(クリス・プラット)に関しては、チザムは「こいつだったら居れば力になるかな」ぐらいに評価したのですかね。アジア系のビリー(イ・ビョンホン)のことは、グッドナイト(イーサン・ホーク)が「今では自分の相棒である」と言って譲りませんでした。最後にインディアンのハーベスト(マーティン・センスマイヤー)(難癖をつけてきたので仲間に入れることでチザムが場をしのいだ)が加わって仲間は「7人」になったわけですけど、数合わせしたような無理矢理感がありました。

 さらに言うと、自身が手掛ける金鉱採掘を成功させるために、周辺に土地を持つローズ・クリークの町の人々を脅し、いびり倒し、時には命まで奪うバーソロミュー・ボーグ(ピーター・サースガード)の側に正義のかけらもないことは極めて明白な気がします。でも、ヤツらに愛する夫を殺されたエマ(ヘイリー・ベネット)の強い意志に引きずられるようにして、ヤツらと正面から戦う羽目になった町の人たちにとって、何十人もの犠牲(死んだ方の正確な数字は分かりませんが)を出してまでの意味はあったのか。そんなふうな気もしないではないです。と言うより、人の命を屁とも思わぬ鉱山経営者という設定と、彼の仕打ちにひたすら恐怖するだけの町の人々という対立構図に、取って付けたような陳腐を感じたのだと思います。

 でも、まあ、一方的でも圧倒的でもない勝利。様々な犠牲を払ってなんとか獲得した。映画だから結末に疑念の余地はありませんが、味方が勝つということに気持ちの良さはありました。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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