[コメント] 手紙は憶えている(2015/カナダ=独)
映画を見終った人むけのレビューです。
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まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
「妻ルースが死んだら決行する」というものだ。
疑問に思ったのは、何故妻存命中には決行できないのか?という事だ。妻が心配し反対するから、と考えたが、(答えを知っている今だから言えるが)反対云々ではなく、それは不可能だったのだ。正常な妻が傍にいては。
傍にいたかどうかは、介護人の最初のセリフで分かる。「私は奥さんの担当で、奥さんが無くなった後はあなたの担当だ」。奥さんも同じ施設に居たのだ。
そして正常だったかどうかは、施設所長との会話中に息子の嫁が言う「義母が彼をここに入れたのです」で分かる。義母=ゼブの妻は正常で、やがて同施設に来た、という事になる。ゼブは正常な妻をいつも頼りにしていた―目覚めた時の第一声はいつも「ルース」。妻の名だった。
もう1度繰り返すが、正常で頼りにしている奥さんが、傍にいては、決行は不可能だった。実に見事な導入部だ。
と答えを知っている今だから言えるが、最初のこの段階で、ラストまで見抜けた観客は、たぶん誰1人としていないだろう。
かくいう私も、何かウラがある、としか分からなかった。まあ、何でも分かってしまうと驚く楽しみがなくなるからね(マケオシミ――)。
他に気になったのは、ラスト。やったぞ!とかなんとかの演出を何故しなかったのか?実力派マーティン・ランドーなら十分表現できたと思うのだが。
もっとも、かくいう私も、彼がマーティン・ランドーとは気づかず、皆さんのコメントで初めて分かったんですけどね。(へへへ)
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