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[コメント] ショコラ 〜君がいて、僕がいる〜(2015/仏)

いろんな要素が盛り込まれた映画。人が己に忠実に、自由に生きることのできない悲しみとやるせなさ、つらさが伝わってきて、見終わって切ない気持ちになる。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







恐らく相方の白人フティットはゲイなのだろう。そして彼はそれが明るみにでるとどうなるかをよく知っているからこそ、己を殺して歯を食いしばって屈辱や圧迫感、劣等感に耐えて自らを厳しく律しているのだろう。

「人に笑われてナンボ」というのは、時に屈辱に耐えることを強いられるということを知っておくべきだと思う。

そしてショコラは、いくら人気がでて富が手に入っても、「愚かな黒人」を強いられることに我慢がならず、己に忠実に生きようとして、時代と世間に手ひどくはねつけれる。

最後は落ちぶれた死に様に見えるし、けして彼は幸せだったとは言い難い。そして相方のフティットは、己を殺して恐らく愛するものに捨てられという報われぬ愛を感じ生きてきて、幸せとは言えなかったのだろう。

二度とこのような時代にならないことを願わずにはいられない。観て良かったと言える一本だ。

ただ敢えて言えば日本語副題のしょうもなさだけはいただけない。センスもなにも感じられないし、映画ともあってないように思える。シネスケにリクエスト登録する時にわかったのだが、「ショコラ」では同名タイトルが何本かあり差別化を図るために副題が必要だったのだろうが、それでもこれはどうかなと思う。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)プロキオン14[*]

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