[コメント] パパが遺した物語(2015/米=伊)
私は映画のストーリーの上での「都合のよい波風」が好きではない。そういったものが溢れた映画って、ときどきあるから、映画をみながら、私はすこしだけ目をそらした。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ケイティの回りの男たち、みんな顔と身体しか目に入らない。行為の描写も、貪るような激しいものばかりで、そこに心も、ましてや愛なんて、欠片もない。それはまるで自傷行為の如く。
少しずつ病状が悪化していく父親をクロウが熱演していただけに、現代パートとの「隔たり」が、大きすぎて、なかなか受け入れ難い。
そんなケイティにとって、重要な二人の登場人物、恋人と、黒人少女。でも過去と今との裂け目を縫い合わせられるのはケイティ自身しかいない。二人はそのきっかけを作ってくれた。しかし彼女は二人を拒む。わざわざコンドームの袋を落として置くような、都合のよい波風を立てて。
この彼氏は、かなりお人好しだ。ちょっと新しい彼女になるはずだった女性が気の毒だ。あと、校長も、黒人少女もいい人だ。あと、ダイアン・クルーガーの夫(グリーンウッド)もいい人だ。だから、あの場で愛人発覚だなんて、都合のよい波風が立ったのも腹が立つ。
なんか不満を多く書き連ねたけど、邦題のような、心温まる系の話じゃなく、かなり体感温度の低い、心震えるストーリーです。だけど、ラストで永い冬が終わったあとのような、春のぬくもりは感じた。
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