[コメント] イヌミチ(2014/日)
「イヌ」と人間の身長差、土下座や階段による高低を利用した上下の切り返しがまず印象的かつスリリングだ。「見下ろす」視線の強度がここまでのものであったとは。目算したところショット数は343、アクション繋ぎなどとにかく編集が尽く滑らかで運動の流れを全く阻害しない。コインを弾く場面や指パッチン、或いは茶円茜と遭遇する際など特に見事だ。
また、本作では所謂「引き」の俯瞰ショットが最初に矢野昌幸邸を訪れたところ以外無かったように思われる。無論、それなりに離れた位置から捉えたショットも在るのだが、何れも「全景」を収めるほどは引いていない。要するに公園も携帯ショップもあの路地も会社も「全景」が無く「部分」のみで撮られているわけで、これで映画を成立させているのはちょっと凄いことではないか。
また、永山由里恵と彼氏が同棲している部屋においての、奥にキッチン、右手にクローゼットを収めたショット。序盤と終盤で二回あるのだが、人物が反対になっただけで動きがまるっきり一緒であったと記憶する。しかしさっぱり意図が分からぬ。
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