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[コメント] サラエヴォの銃声(2016/仏=ボスニア)

旧ユーゴとその周辺の'90頃からの紛争(戦争)にほとんど知識・情報のない私たちにとって、あまりよく判らない背景にかなり戸惑った。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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'90〜'95ぐらい、日本ならバブル崩壊で徐々に経済が行き詰まっていたころ、ほとんどこの辺りの紛争に関して、知識が無い。映画を見るようになって、『セイヴィア』は、かかなりカオスと化した話を見ただけで、背筋が凍る。ゴダールの『フォーエバー・モーツァルト』とかちょっと意味不明だったけど。

この映画、ホテルの中のいろいろな出来事よりも、屋上で繰り広げられる、女性ジャーナリストと「暗殺者」の子孫の「問答」を、一番描きたかった気がする。100年前の暗殺事件、ボスニア紛争について、かなり熱く意見を戦わせていたが、言うだけ言って、全部出し切って、すっきりした二人は印象的だったが、すこし置いてゆかれた気はした。

一方ホテル内の事件は、ストライキ事件、いやそれ以前にホテル自体がもう切羽詰まった状態。そのなかで、フロントの女性は素敵だし、とても印象的。もう支配人と「いい仲」なんだと思ったら、そうでもなかったみたいで、追い詰められた彼女は印象的だった。ただ、最後の「事件」までの展開は、今一つ。そして「事件」は結構唐突だった。その「銃声」も。

100年前の「暗殺事件」と、第二次世界大戦のころの「ホロコースト」と、90年代の「ユーゴ紛争」。3つの血なまぐさい負の歴史を背負い、いまなお不安定なユーゴの「今」だけは少し判った気がする。

(評価:★3)

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