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[コメント] 3月のライオン 前編(2017/日)

生き残るには対戦相手を敗者にしなければならない酷薄な世界、という魅力的な主題が垣間見えたような気がするのだがすぐになくなり、あとは劇映画というより歌舞伎の顔見世
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







有村架純を追い越し、負け犬甲本雅裕(堀口七段が明らかに想起される)に勝ってひとり毒づく神木隆之介には求心力がある。しかしその後、映画はこの主題の継続拡大にまるで熱心ではない。後篇で有村の兄のアパートの件が申し訳程度に出てくるだけ。

代わりに映画が熱心なのは、デブった染谷将太(『聖の青春』の主人公である村山九段が模されている)はじめ佐々木蔵之介やら加瀬亮やら、立ったキャラが和服着こなす姿の撮影である。

そして何と、それだけなのだ。後篇になってもこの三人、物語としては何も活躍しない。ただ有難そうに将棋指しているだけだ。不思議な映画であり、劇映画というよりも歌舞伎の顔見世に近いのかも知れない。私としてはそんなもの、観ても仕方がないのである。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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