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[コメント] バーニング・オーシャン(2016/米)

個々のエピソードはまったくそのままではないだろう。でも出来事の本質は外してないと思う。映画の文法を熟知した語り口が気持ち良い。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 説明や説明台詞がほとんどない。セメントテスト、セメントテストはやったのかという台詞が繰り返されるが、誰もその質問にまともに答えない。観てるこちらは、それがなんだか分からずイライラしてくる。汚泥運搬船とやらが停泊していることに、ミスター・ジミー(カート・ラッセル)が腹を立てている理由も分からないままだ。しかも、ようやくそれが掘削船の安全確保に重要なテストなんだと分かったときには、もう「今さらそれはチェックのしようがない」とか言って、話は次のステージに進んでしまう。何なんだそれは、という感じだが、映画としてはそれでオッケーなのだ。なぜなら、最後まで観れば分かるが、映画の成立には、それ以上の情報は必要ないからだ。

 マイク(マーク・ウォールバーグ)の役柄に当たる人が、女性技師のアンドレア(ジーナ・ロドリゲス)を救ったことは事実なのだろう(後の査問/裁判?シーンの実写映像でもそうあった)。だが本当にあんなヒーロー的な格好いい救い方だったのかどうかは不明だ。ミスター・ジミーが入浴中に被災し、足の裏に刺さった壁の?破片を裸のまま抜き取るなんてシーンが本当にあったのかどうかも分からない。だが、映画を観る上で重要な効果を発揮してさえいれば、それが本当に起こったことかどうかは映画にとってどうでもいいことだ。昔、誰かがそんなことを言ってたが、その意味が分かった気がする。

 掘削船の炎上という最も重要な要素をきっちり描く。そこで働く人々のキャラクターや、彼らが事故によって背負うことになった業も逸らさず描き込む。亡くなった方々へは追悼を捧げる。低コストや効率性の過度の追求が安全性の阻害に繋がるという、われわれが生きているこの現実社会にも有効な教訓まで盛り込まれている。実際の出来事に基づいたと言いながら、フィクションの力とでもいうものにあらためて気づかされた作品でした。でも、それが映画だよな。

 映像も良かった。とてつもなく長い海上の橋とか、その橋の対向車線をデカいトラック群が通り過ぎるとか。まあ、これらについては他の方が言ってくださるだろう。

 トイレに行く機会を失ったあの兄ちゃん、たぶん途中で漏らしたね。

85/100(17/12/09見)

(評価:★4)

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