[コメント] 四月は君の嘘(2016/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
アニメ版からの改変箇所には脚本家の巧みさが現れている。
尺の都合からカットされたライバルたちのお陰で物語は主要キャスト4人に焦点が絞られてストレートに判り易い。
特にエヴァのシンジ以上に鬱屈してた公生は、意外とあっさり(周囲の力も借りながら)母親とのトラウマと決別する。
また、椿の公生への思いがエピソードとしては端折られながらもこれまたストレートに描かれていて、主人公のひとりである「かをり」と肩を並べていると感じた。
このお陰でラストのかをりの「嘘」告白の手紙に明確な理由付けがなされている点も高評価。
一方で、かをり演じる広瀬すずのウイッグが安っぽすぎる、(演技とは言え)公生に対して我侭で傲慢な態度を取るかをりに感情移入できない、手術シーンの描写によって「嘘」のネタバレのいい意味での「唐突度」が損なわれている、など手抜き・改悪シーンも多い。
ラストのかをりから公生への手紙の朗読のシーンは「病モノ」特有の既視感アリアリで凡庸。
ただ、公生演じる山崎賢人の「相槌」がアニメ版より秀逸で、泣けないこともない。
全体的に、世間の評価とは異なり、「原作が然程面白いと感じなかった」僕としては、実写化してもその評価は変わらない。
そもそも、二人称に「キミ」を多用するかをりと公生の会話が薄気味悪すぎる。
名前をお互いに知っているのに「キミ」を連呼しあう2人はもう浮世離れしているとしか思えない。
かをりと公生の幼少期を演じた子役2人はすず・賢人に激似でここはもうキャスティングの妙。
とまぁ、いろいろ書き綴ったが、グダグダし過ぎなアニメ版公生よりはこちらの方が観ていてウザくない、といった程度の作品。
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