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[コメント] 皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015/伊)

映画ポスターに「胸熱」と書かれているが、この言葉に偽りはなし。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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特別、完成度が高いわけでもない。派手なカーアクションに、派手なCGを駆使しているわけでもない。そこに登場する主人公がとびきりかっこいいわけでもない。ヒロインが超きれいというわけでもない。それなのに、なぜ私はこんなに心動かされてしまったんだろうか。不思議な映画だ。

だいぶ乱暴なストーリーだ。イタリアの裏社会の話。主人公エンツォは「チンピラ」だ。敵のジンガロも、アレッシアの父も裏社会の人間。

アレッシアも「鋼鉄ジーグ」を偏愛して殻に閉じこもる、「普通じゃない」女だ。印象的だったのは、「パパを助けて」と言っていたのに、いざ父親の死体を見たときに、けっこうドライだった。試着室でのシーンで「あなたも私を傷つけるの?」といった。父から虐待(それも性的)を受けていたんじゃないだろうか?それ故に殻に閉じこもり、ジーグの世界と現実が区別がつかなくなったとか。「誰かに助けてほしい」。

エンツォが得た「力」は、別にジーグとは関係ないが、無敵の彼をアレッシアが「司馬宙」と同一視することで、日本のロボアニメがイタリアで生き返った。

そして後半に訪れた「あの展開」にびっくりした。そこからの主人公がもう、切なくって。そしてラストバトルと、最後のシーン、もう泣けるし、胸が熱くなるし、さわやかな幕切れだった。いい映画に巡り合いました。ありがとう、イタリア。

(評価:★5)

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