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[コメント] チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976/米)

かざりたてる事ない人生が、露骨に淡々と語らわれている。 うまくいかない人生を歩んでいる自分がいるかこそ、同じ痛みを持った人間には楽に生きて欲しいと思う優しさ。  
寿雀

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







映画を愛する人の為にある映画だと確信しました。確かに映画には、いろいろなジャンルがあり、全てが”映画”という事には間違いはありません。映画を娯楽の一部として考え、それを観る側が認識し感じるのは自由ですが、製作者達が娯楽映画を目的とし創る映画と、前者では大きな違いがあるような気がする。 この映画の主人公達は「希望」がない。第三者からすれば全く希望がない。 希望がないが、それはあくまでも映画に出てくる登場人物を見ている観客(自分)達が感じている思いであって、本当にこの主人公達が「希望」がないかというと疑問である。 最後の楽屋シーンは主人公達が自分の弱さを受け入れ、愛する者達を受け入れ、また与えながら、わずかな「希望」というものに少しでも近づこうとしている様が、痛いほど伝わってくる。 人の「感じる心」というものは、人それぞれであり自由である。 ジョン・カサヴェテスは、人間というものを真剣に考え、映画という表現方法を借り、「希望』 」とは何かを答えてくれているきがする

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ゑぎ[*]

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