[コメント] 甘き人生(2016/伊)
母への思慕とトラウマを刻む、幼少期のシーンの畳み込みが凄烈。二人でバスで出かけ、なぜか終点でも降りようとしない母。その不穏さと不安感は、その後の展開の布石としても効いている。
そして、中年期になって出会う女性はいずれも母の面影をどこか帯びている。
躁鬱的にエピソードを重ねて、叙事詩的にドラマを紡いでいく手法はフェリーニを想起させられる。経営者へのインタビュー時のアクシデント、サラエボでの苛烈な体験、深夜のプールでの幻想的な飛び込み、思いがけず羽目を外したパーティでのダンスシーン、いずれも印象深い。
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