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[コメント] けんかえれじい(1966/日)

「ピアノの音は(指じゃないんだから)俺2音くらいは鳴りますよ」と高橋英樹が鼻息荒く抗議しなかったのは一生の不覚ではないのか?
torinoshield

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







バンカラというと(今の若者には無い)男気溢れる豪快なイメージって風潮は公開時の60年代に既にあった。(ビートルズ来日の際の大人達の反応から)

ビートルズだあストーンズだあ言ってチャラチャラして髪伸ばして平和だあ!?日本男児つうのはなあ…みたいに当時説教したオヤジ世代の青春時代謳歌の様にこの映画思える。

主人公が会津の連中に言う「弱そうな相手にはでかい態度で、強い相手にはおとなしく従う、それが会津魂か!」が強烈であったが実はこれ、会津をバカにしているというよりもまさに上記の人達の「俺たちが若い頃は今(60年代の若者)の小僧よりずっとタフだった」という幻想をバカにした反バンカラ世代映画か?勝てる相手にはとことん粋がるくせに軍隊相手だととたんにシオシオとなり自分の生活圏内でしか物事を計れないそういう人達へのイヤミだろう。

監督(東京生まれ)がいた旧制学校って青森の弘前だったみたいだしそこで北一輝の本を読んだとプロフィールに書いているのでこれは監督の体験も少なからず入っているんだろう。この津軽って気風がまた外部の者に対してやたらと「津軽っていうのはうんたら」「やっぱ東京は津軽に比べてうんたら」と講釈を垂れたがる土地なんだ(笑)。

北一輝は右翼の青年将校を扇動して天皇による統治国家実現後、隙を突いて大東亜共栄圏を一気に共産国家にしようとした左翼思想家なので主人公は言ってみれば「今度は日本という名の会津を相手にケンカをする」って言う事になるわけだ。そこらのバンカラ世代とは一線を記す領域に入るところで映画は終わりだよ、おい、もっと見たいぞ

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)水那岐[*] Yasu[*] ハム[*]

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