[コメント] 不審者(1951/米)
中西部の田舎から西海岸の都会へ夢破れ、流れ着いた男と女を引き合わせたのは姿なき「不審者」だった。安定と引き換えに自由を奪われた女は、その男に現実逃避の幻影を求め、過去の栄光の燃え殻がいまだ燻る男は、その女を現状打開の手段として利用する。
そんな二人を再び現実に引き戻し、地の果てに追い込んだのもまた、姿もカタチもない“大衆の影”という「不審者」だったというアイロニー。
他愛のない逃避行サスペンスの向こう側に、得体のしれない脅威に対するルサンチマンが滲む。筆を奪われた時代のダルトン・トランボ脚本だそうだ。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。