[コメント] ドリーム(2016/米)
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おそらく実在の3人の女性たちは、もっともっともっと、苦労をしてきただろう。仕事のことでも、生活のことでも。だいぶこの映画の登場人物たちは「いい暮らし」をしている印象。服装も小奇麗で、いい車に乗って、ちゃんとした家に住んで。「真珠なんて買えない」と言っていたが、真珠くらい買えそうな印象だった。トイレの問題も描かれたが、白人学校へ通いだした彼女にも、同じ問題があったはずだ。どうしたんだろう?
黒人側から「見上げた」視点も、白人側から「見下ろした」視点も、割と紋切型。とくにキャサリンが所属していたチームの若い白人男性スタッフォードの描き方。もう少し彼の目線での出来事を2つ、3つ挟むだけで、ずいぶん印象が変わるのに。とうとう最後まで彼はキャサリンを、仲間として認めるシーンがなかった。対称的に、コスナー演じるボスがスタッフに「残業増えるから、奥さんに電話しろ」のシーンで、みんな黙々と電話する中で、キャサリンの向かい側の席の名前も出てこない男性スタッフが、キャサリンにも電話を渡す場面がある。少なくとも彼は、ちゃんとキャサリンを仲間として捉えていたように見えた。ちょっといいシーンだ。
この時代の「みんなが空を見上げていた」空気感とかはすきです。マーキュリー計画とかの成功を賭けたみんなの思いとかの「縦糸」はよかったと思う。そこにかかる「差別への戦い」や「初めてのことに挑戦した人」の「横糸」が、うまく織りなせなかった印象でした。
もうひとつ、この映画の中で、なんか「嫌!」と思ったのが、「音楽」。こんな感じは、すごく嫌だ。
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