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[コメント] ドリーム(2016/米)

おそらく「邦題変更」のニュースでこの映画を知った人も多いはずだ。『ドリーム』という邦題も夢があっていいのですが、短すぎて、すぐに忘れてしまいかねない。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







おそらく実在の3人の女性たちは、もっともっともっと、苦労をしてきただろう。仕事のことでも、生活のことでも。だいぶこの映画の登場人物たちは「いい暮らし」をしている印象。服装も小奇麗で、いい車に乗って、ちゃんとした家に住んで。「真珠なんて買えない」と言っていたが、真珠くらい買えそうな印象だった。トイレの問題も描かれたが、白人学校へ通いだした彼女にも、同じ問題があったはずだ。どうしたんだろう?

黒人側から「見上げた」視点も、白人側から「見下ろした」視点も、割と紋切型。とくにキャサリンが所属していたチームの若い白人男性スタッフォードの描き方。もう少し彼の目線での出来事を2つ、3つ挟むだけで、ずいぶん印象が変わるのに。とうとう最後まで彼はキャサリンを、仲間として認めるシーンがなかった。対称的に、コスナー演じるボスがスタッフに「残業増えるから、奥さんに電話しろ」のシーンで、みんな黙々と電話する中で、キャサリンの向かい側の席の名前も出てこない男性スタッフが、キャサリンにも電話を渡す場面がある。少なくとも彼は、ちゃんとキャサリンを仲間として捉えていたように見えた。ちょっといいシーンだ。

この時代の「みんなが空を見上げていた」空気感とかはすきです。マーキュリー計画とかの成功を賭けたみんなの思いとかの「縦糸」はよかったと思う。そこにかかる「差別への戦い」や「初めてのことに挑戦した人」の「横糸」が、うまく織りなせなかった印象でした。

もうひとつ、この映画の中で、なんか「嫌!」と思ったのが、「音楽」。こんな感じは、すごく嫌だ。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)水那岐[*]

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