[コメント] ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男(2017/英)
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この映画は、戦時下においての「大事な決断」をした「型破りな男」を描いているものの、粗暴な物言いの裏の「戸惑い、迷い」を織り交ぜながら、気が付けば見ている者は、ウィンストンに共感してしまう。そのあとの「史実」を知っているが、ドキドキはらはらしてしまう。夫人の前では、虚勢の要らない「素」なんですね。
そんな手に汗握る映画でありながら、「イギリスっぽい」映画だな、とも感じた。そして結果と史実は紙一重。
チャーチルを演じたオールドマン、いつもクセのある役が多かったが、最近は物分かりのいい優しい男を演じることもふえてきた。今回は、じっくりみても、この面影からオールドマンは見つけられなかった。これはメイキャップの辻さんのなせるワザ。
「メイクアップ・アーティスト」と言われて、「メイクさん」ぐらいにしか思っていなかったが、先日、NHKで以前特集された辻さんの「挑戦」の番組を見たが、メイクというより特殊メイクの領域。ウィキ情報だが、伊丹監督の『スウィートホーム』にも若手時代に参加していたそうで、そういえばこの映画の紹介で、伊丹監督が「熱で溶けてゆく男のシーン」で、砂糖だか飴だかを使って表現していた、なんてのを今でも覚えている。そして『PLANET OF THE APES/猿の惑星』の「猿」は彼の出世作、アダム・サンドラー主演の『もしも昨日が選べたら』もらしいが、この映画はケイト・ベッキンセイルの「老け具合」が実に美しく、ため息が出そうになった記憶がある。NHKの特集では「ハリウッドから距離を置く」と話していたが、白羽の矢が立ったようだ。さすがの実力ですね。
もうひとつ言うなら、邦題は『ウィンストン・チャーチル』だけでも良かったんじゃないかな?と思う。『ヒトラーに屈しなかった国王』という映画もそうだが、「ヒトラー」という言葉を入れたいんでしょうね、配給会社。
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