[コメント] 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星(2018/日)
前回とはうって変わって戦争映画らしい場面構成。コミックスに忠実な展開ゆえ文句は挟めないが、若い観客の「これを前回に先回ししていたら…」という声が聞こえてきそうだ。でも、結局安彦ガンダムの映画化はここまでが限界だろう。
結局、安彦監督は戦闘や躍動をもっとも得意とする描き手なのだが、ここに至り人間のアクションは陳腐なものに退行しようとしている。今回が限界だろうし、監督自身も痛快な戦時アクションなどは全く興味がないようだ。もちろん1stガンダムは基調に厭戦の香りがつきまとい、暗い影はつねに主人公たちに纏わりついた。だが、富野由悠季をはじめとしたスタッフはそれでも良質な活劇アニメの作り手であったのだ。もし安彦ガンダムを今後発表するにしても、もう老いてしまった安彦を監督に据えるのではなく、一新された若いスタッフに委ねるべきものだろう。最終章は充分に声援をおくる観客に報いられる出来とはなった。『宇宙戦艦ヤマト』が次世代に受け継がれたように(作品の出来はこの際ふれない)、数十年前からの道標を示すことのできた作品クリエイターはいさぎよく若者へ指揮権を遺されたい。
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