[コメント] ザ・プレデター(2018/米)
意外に見応えがあった。主人公や愚連隊はもちろん女科学者や嫁までが中二病アウトロー満開なキャラ設定とタランティーノライクな台詞回しはこれ、少なくとも作家は入念に書き込んでいて、義侠の等閑ぶりも垢抜ける野合の果ての文字通り飛んでもクライマックスがいっそ清々しい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ただ続編としてのストレスが滲んでいないと言えば嘘になる。何しろ後付けが仕事なのだ。不利とは分かっていても、後付けのモチーフによってストーリーをでっち上げねばならないし、現在の感覚に対して“引き”として機能させるなら、“狩りの理由”がどうしたって必要だったろう。たとえそれが致命的な錯誤になろうとも。
えらく高度な文明を培いながらやたらサディスティックな異星人が、マクティアナンのベトナムものライクな戦闘描写を経て、最後に意外にも騎士道を発揮した瞬間、ドB級SFが神話に突き抜けた感があった一作目。三十年も経って、あちらの惑星でも色々あったらしい。今作のデカブツが何で魅力ないかと言ったら、もはや騎士道などどこへやら、異種間交配だの優秀な遺伝子で自分をアップグレードだの、どっかの巨大IT会社のCEOみたいにゲスな魂胆がまったくもってガッカリだからだ。ただ己の優越を誇示せんがために狩り、殺戮の振るいから浮かび上がり拮抗してきたダッチのような好敵手を尊ぶ神秘は神秘のままでよく、裏に魂胆などあって欲しくないのである。
本当にプレデターが好きな人には致命的な錯誤に見えたんじゃないかと思うが、そこまで思い入れがない自分としては頑張った方なんじゃないかと小さく呟いておきたい。
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