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[コメント] ヴェノム(2018/米)

寄生しなくても生きていけそうなのに、なんで寄生すんのかね。そこがキモなんですな。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 ヴェノム(venom)というのは毒素とかいった意味の英単語だそうだ。ささくれだったスライムみたいな半固体・半液体状の生き物で、一定のひと固まりが独立した個体として存在し、個体同士が混ざり合ったり溶け合ったりはしない。ただ、そのままでも生きていけるようであるにも関わらず、わざわざ他の生物に寄生することを特徴とし、寄生先(宿主)には簡単に融合したり、また自己を切り離していかなる形状にも擬態できたりする。おそらく、宿主本来の特長を、より増長させ強化することがたやすくできるといったことのようである。マリアからエディ(トム・ハーディ)に宿主を変えたヴェノムは、その後、パピヨン犬からエディの元カノ・アン(ミシェル・ウィリアムズ)へと寄生先を変えていくが、アンに寄生したときにはとってもおっきなおっぱいを持っていた。こういうところは、必ずしも自己で制御できないということなのかしら。いずれにしても、ヴェノムの属する種には、雌雄の性別はないのだろう。もしくは、2種どころではない多様な性種があったりして。しかし、個体の死はあるようだったが、どうやって生殖活動というか子孫を残す活動を行っているのかね。ちなみに「ヴェノム」はこの生き物の種の名前かと思ったらそうではなく、この個体の名称、つまり固有名詞でした。もう1匹(とりあえず“匹”で数えるが)、同じ種の個体が登場し、こいつの固有名詞は「ライオット(riot)」でした。暴動という意味だよね。

 説明がないのできっちりとは分からないながら、物語の展開につれてこういう世界観がおぼろ気にたち現れてくるというところが、本作のとっても面白かったところだと思います。ケビン・コスナーの『ダンス・ウィズ・ウルブズ』をインディアン目線で描いたらこんな話になんのかなという気がしました。自分たちの安住する世界に、勝手にやってきた(やや招き入れた面もあったけど)異形の存在が勝手に立ち回り、望んだ訳でもないのに共生を強制される、みたいなところがね。

 もちろん、坂の多いサンフランシスコの街を生かしたウルトラ・カーアクションに始まり、CG満載の肉弾アクションまでのアクション場面の流れも、無心に楽しめるいい流れで展開できていたと思います。

80/100(21/12/3CATV見)

(評価:★4)

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