[コメント] グリフターズ 詐欺師たち(1990/米)
ダークな展開の中に一際引き立つ回想シーン。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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その回想シーンの見事さといったら、眠気が吹き飛ぶ程素晴らしさだった。
マイラが過去を話し出した瞬間から、画面の色がパッと明るくなり、途端にコミカルな映像。大好きな名脇役のJ・T・ウォルシュが、堂々と口先だけの大きな詐欺を繰り広げる!!
そのスピード感!、その鮮やかな手口、その危うさ(現実的に無理っぽいな…)に、ルパン三世を見るような爽快感があった。
回想シーンからは、物語自体のテンポも良くなり、後は脱ぎっぷりも含めてアネット・ベニングの素晴らしさに見とれるばかりだった。
彼女にとっての過去の栄光(回想シーン)が素晴らしければ素晴らしいほど、現在のダークな展開が生きてくる。マイラにとって過去が素晴らしいものである事が、この物語の一つのキーであるように思う。
彼女の過去に対する思いがあるからこそ、たった少しの家賃が払えず太った管理人とセックスする彼女の哀しさが心に突き刺さる。「こんなはずじゃない、こんなはずじゃなかった」そんな彼女の叫び声が聞こえて来そうだった。
騙すのが仕事の詐欺師達は、他人を欺くうちに、本当に自分達の大切なものを見失っていっているのかもしれない。自分の心までも騙すように…。
彼らは、「愛」を求めながらも、「金」に侵され、結局「愛」を見失ってしまった哀しき者なのだ。
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