[コメント] 黒い賭博師(1965/日)
アバンタイトルの最後で見せる小池朝雄の演技が大芝居過ぎるのだが、しかしこの演技も決して臭いだけでない、スピード感のある良いディレクションなのだ。スピード感は台詞とカッティングだけで生まれるものではない。これが演出家の仕事だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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それに揚という名前の中国人役・高橋昌也が実に上手い。実によくやっている。この演出も尋常じゃない速度がある。ヒロインの富士真奈美もこの頃が最盛期で美しいし大好きな横山道代も彼女らしいコメディパートの見せ場がある。
これでも中平康としては満足出来ない部類かもしれないが、格好良さと洒落の部分との混交が余裕しゃくしゃくに見える。タイトルと主題歌「賭博唱歌」の入り方。そのふざけた歌詞。小林旭は富士真奈美を抱きかかえて建物の上へワイヤーワークのようなジャンプをする。(このシーンの撮影で小林旭は35日間も昏睡状態となる大怪我を負ったのだ!)追っ手の車に対してパチンコ玉を撒く007シリーズを意識したオープンカー。そしてラストカットは何の脈絡もなく「北爆に賭ける米国」だ!あっけにとられるではないか。
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