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[コメント] クリード 炎の宿敵(2018/米)

判っていたことだけど、終盤近くで「♪ロッキーのテーマ」が流れてきたときには、涙腺が熱くなった。あのファンファーレは、いまでも多くの人々の魂に火をつける。
プロキオン14

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







なかなかうまく考えられたプロットだ。ひょっとして『エクスペンダブルズ』の撮影中にドルフ・ラングレンと「こんなのどう?」とか話し合ったのかもしれないね。

アポロの息子(実際は隠し子)と、その命を奪ったドラゴの息子。その二人の闘いを通して、ロッキーVsドラゴの再戦を実現させた。

そうなってしまえば、あとは「ボクシングの筋書き」は決まってしまうのは仕方ない。そこに生まれ来る新しい命、ロッキーの実子の話、特別ゲストのスタローンの元妻。いろんなものを織り交ぜながら、「映画の筋書き」を紡いでいった。

でも、でも、私はひとつ不満がある。それがヴィクターだ。彼の描き方にもう少し「厚み」が欲しかった。パーティーでみせた「苛立ち」。彼自身が闘う理由はなんだ?父親の代わりなのか?ひょっとしてボクシングを始めたことすら、それが理由だったのか?そして父がロシアの高官と、そして「自分を捨てた母」に媚びへつらうように感じたのが耐えられない。ロッキーがアドニスに「闘う理由」を尋ねたが、ヴィクター自身にはそれがあったのか?そう思うと、このヴィクターというキャラクターが切ないし、愛おしい。

ひょっとしてアドニスは、ヴィクターと「親友」になることができたのかもしれない。「闘う」ことで初めて「強敵(とも)」になれる(まるで北斗の拳かドラゴン・ボールみたいだが)という「拳の友情」が生まれるところが見てみたかった。

ちなみに「No.1」になったクリード、続編を作るのか、どうだろうか?さっきの前提で、親友となったヴィクターが、新しい敵と闘い、命を落としてしまい、その友情に報いる為にアドニスが立ち上がる・・・というのは、やめたほうがいいね。でもそういう可能性を秘めたヴィクターでした。

(評価:★4)

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