[コメント] クリード 炎の宿敵(2018/米)
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なかなかうまく考えられたプロットだ。ひょっとして『エクスペンダブルズ』の撮影中にドルフ・ラングレンと「こんなのどう?」とか話し合ったのかもしれないね。
アポロの息子(実際は隠し子)と、その命を奪ったドラゴの息子。その二人の闘いを通して、ロッキーVsドラゴの再戦を実現させた。
そうなってしまえば、あとは「ボクシングの筋書き」は決まってしまうのは仕方ない。そこに生まれ来る新しい命、ロッキーの実子の話、特別ゲストのスタローンの元妻。いろんなものを織り交ぜながら、「映画の筋書き」を紡いでいった。
でも、でも、私はひとつ不満がある。それがヴィクターだ。彼の描き方にもう少し「厚み」が欲しかった。パーティーでみせた「苛立ち」。彼自身が闘う理由はなんだ?父親の代わりなのか?ひょっとしてボクシングを始めたことすら、それが理由だったのか?そして父がロシアの高官と、そして「自分を捨てた母」に媚びへつらうように感じたのが耐えられない。ロッキーがアドニスに「闘う理由」を尋ねたが、ヴィクター自身にはそれがあったのか?そう思うと、このヴィクターというキャラクターが切ないし、愛おしい。
ひょっとしてアドニスは、ヴィクターと「親友」になることができたのかもしれない。「闘う」ことで初めて「強敵(とも)」になれる(まるで北斗の拳かドラゴン・ボールみたいだが)という「拳の友情」が生まれるところが見てみたかった。
ちなみに「No.1」になったクリード、続編を作るのか、どうだろうか?さっきの前提で、親友となったヴィクターが、新しい敵と闘い、命を落としてしまい、その友情に報いる為にアドニスが立ち上がる・・・というのは、やめたほうがいいね。でもそういう可能性を秘めたヴィクターでした。
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