[コメント] 007/ゴールドフィンガー(1964/英)
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007といえば、まずこれを思い出す。作品が優秀だからという訳ではない、これを見た小学低学年の自分にとって全然ロマンとは思えなかったというか、「不条理の連続」だったから。
・007はいろんな女の人とすぐ仲良くなるけど、仲良くなったらすぐ死んで ばっかしで寂しくないのだろうか。ちっとも楽しそうじゃない。
・一糸乱れぬ行動のゴールドフィンガーの手下は、何を考えているんだろう
・何より、ハロルド坂田は死ぬのが決まった状況でも、なぜ?
・金相場の事など知らない子供にとって、グランドスラム作戦自体が不可解だ。
・計画破綻直後の、ゴールドフィンガーの味方に対する扱い。
・ついでに終盤、裏切り者として処刑されるのに、ゴールドフィンガーの為に 飛行機を操縦してる彼女も謎。
勿論、他のスパイ映画にもこんな描写がある、でも、この作品、特に「悪役のヒラ」や「悪役の準幹部」の悲哀というか無意味さが強調されてはいないだろうか?
核被爆で死ぬ間際まで、親玉に忠実なハロルド坂田。開く扉に挟まれ苦しむ戦闘員の描写が何かシンボリックな印象すら与える。
こんな事、何の意味もない感想だ。単に子供の時見たとからいうだけかもしれない。 でも今、大人だからって、これは見るに値しない所なのだろうか。 サラリーマンの自分達だって、もしやある視点から見れば、無駄に使い捨てされるあの戦闘員や技術者と似た様な存在なのかもしれないのに・・・
もしやこれは、株や為替相場に踊らされる現代人の不条理を予見した、画期的な作品なのではないでしょうか(笑)
といった事抜きにしても、タイトルとあの音楽だけでも十分の価値がある。ある意味 本作の音楽で、007的な文化が確立された評価に値する映画だと思います。 (特に関係ないけど作中気に入ってた情感あるれる「車で007を追い越していった女の人」があっけなく死んでしまったのも残念)
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