[コメント] 天才作家の妻ー40年目の真実(2017/米=英=スウェーデン)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
女性では作家としてまともに認められることはない、という時代的制約と、文章を書く才能はあっても力強い物語を創りだす力は夫にはかなわない、という限界の自覚という、二つの理由から妻はゴーストライターの道を選んだのだろうが、ちょっとその二つがそれぞれ中途半端に描かれている感じはする。
ただそれでも、そうやって自ら納得して選んだ道であっても、30年近く歩んできて、基本的にはうまく成功してきて、ついにその頂点にいたった時に、心の奥底に仕舞い込んできた、双方の無念、悔しさ、悲しみ、というものが徐々に伝わってくるのは良い。
だからこそ本作の最後は、これはこれでハッピーエンドと言えるのではないかと思えてしまうのだ。
劇中、夫の浮気心が発覚して派手な喧嘩をしたかと思えば、孫が生まれたからとあっという間に仲直りして、「夫婦喧嘩は犬も食わない」を地でいくようなシーンがあっただけに、思いつめた妻が「離婚する」と言い出した途端に心臓発作で苦しみ、あわてて人を呼ぶ妻が見守る中で死を迎えるというのは、なんだかんだ言っても幸せな人生ではないだろうか。
それ故、ラストの飛行機のシーンにも納得できる。人生は時にハラハラドキドキするような危機もあるけど、だからこそ幸せってこともある、という感じにさせてくれた一本だった。
ところでこれ、日本語の副題には「40年目」とあるが、劇中のノーベル賞受賞は確か1992年くらいで、主役二人が大学で出会った当時は1958年となっていたと思うから、「40年」も経っていないではないか。些細なことだが、こういう映画をろくに観もしないでつけたと思わせるような副題には白ける。
(評価:)
投票
| このコメントを気に入った人達 (1 人) |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。