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[コメント] 七つの会議(2018/日)

TBS日曜劇場・池井戸潤のコンビを映画化した感は否めないものの、原作の8話短編集を原島万二と浜本優衣を話を転がす猿回し的なポジションに据えた結果、序盤の八角民夫の「見えない不気味さ」を見事に演出していたと思う。及川光博の芝居は相変わらず下手だが、朝倉あきはまずまずの好演。野村萬斎のロールチェンジはさすがの域。彼ひとりが屋台骨を支えている。
IN4MATION

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ネジのデータ偽装という真実に近づきそうになった写真が次々と左遷されていく中、原島万二と浜本優衣のふたりだけは八角民夫の信頼を得て最後まで真相究明に付き合うことが許される、ただその一点が納得がいかない。笑

左遷された者に正義感がないかと言えばそういうわけでもないし、本当に謎。

ラスト、日本の会社を藩、社員を武士に例えて、「武士は人命よりも藩の命に従うことが美徳とされているのでは?」と快活に笑う野村萬斎の声の響きがとても良い。

御前会議でも野村萬斎の声だけが広い会議室で突き抜けて通っている。

さすがだな、と思わされる。

実際に組織に楯突いて自分の職を失っても構わないってスタンスの社員なんて存在しないんだけどね。

それがわかっているから、一層野村萬斎演ずる八角民夫が眩しく見えるのだろう。

(評価:★4)

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