コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 007は二度死ぬ(1967/英)

最後の舞台アキ島は「神戸と上海の間にある島」だそうだ…うん。確かに間違えてはいない。確かに九州は神戸と上海の間にある島なんだから。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 全編日本を舞台としたシリーズ異色作。移動距離は日本国内のみ(東京〜神戸〜黒島)。本編シリーズ中最短の移動距離(ロンドンに帰りもしないため、Qとのやりとりも日本国内でやるというこだわりよう)。

 初代ボンドのショーン=コネリーによる5本目の作品だが、コネリー版では本作が私の一番のお気に入り。スケールの大きさはシリーズ屈指だし、本作から本格的に始まった特撮も力が入ってる(これが一番の理由だったりする)。それに今まで顔が出てこなかったスペクターのナンバー・1、ブロフェルド(名前が明らかにされるのは次作だが)が初めて顔を見せている演出も良し。

 それに、日本人ボンド・ガールの若林映子浜美枝の二人も、見事にはまり、コネリーを相手に一歩も引かぬ見事な演技を見せてくれていた。

 …実はこの二人、元々は役割が逆で、既に国際派スターとなっていた若林映子の方をメインにしたかったそうだ。そっちの方も観てみたかったな。彼女だったらアクションも充分こなせるし…ただ、このお陰で浜美枝は東宝の看板女優となるのだから、これはこれで成功か。

 確かに日本を舞台としたのは、日本人の私にとっては痛し痒しで、これまで以上にアラが多いのは紛れもない事実だが…つれづれに挙げてみると、鹿児島に上陸したボンドがすぐに東京の町を歩き、次に神戸に現れたと思うと、阿蘇の山に潜入しているとか移動距離は無茶苦茶だし、日本人に変装したコネリーってのも、相当に無理があるよ…ちゃんと丹波哲郎がアドヴァイスしたんだから、せめて胸の回りはちゃんと剃らないとね(笑)。常にビキニ姿で出てくる浜美枝を「海女」と言ってしまうのも大分無理が…

 …でも、その辺のどう見たって無理な設定が、まるで気にならないのが本作の最大の良さ!(「気にしてるじゃん」というつっこみは甘んじて受けます)。阿蘇のカルデラの移動シーンは感動さえ覚えるぞ。特撮ファンとして、本作を支持する!

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)りかちゅ[*] ボイス母[*] 水那岐[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。