[コメント] ソイレント・グリーン(1973/米)
『フレンチ・コネクション』の影響なのか、ヘストンのチョイ悪刑事っぷりがややスベってる。富豪の家から食材ドロボー、美女とウハウハではラストの告発も切実さに欠ける。
「家具」と呼ばれる美女の存在がエロすぎる。住宅に付属し住人の所有物となる下女兼性奴隷とは、そのままエロマンガみたいな設定だ。ディストピアSFだからって反モラルやりたい放題だな。年くって容姿の衰えた「家具」は、ソイレント工場に送られるんだろうな。
合成食品ばかり食ってる暮らしの中で、ご老体のエドワード・G・ロビンソンには20世紀の食生活の記憶がある。ヘストンがくすねてきた食材で野郎ふたりのリッチなディナーを楽しむ場面はたいへん素晴らしい。奇妙なのは、未来SFなのに旧時代の食事をする場面が名場面になっていて、問題のソイレント・グリーンを食べる場面なんかあったんだかなかったんだか、まるで印象に残っていない。これはSF映画を考える上で、重大なことだと思うのだ。
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