[コメント] ソイレント・グリーン(1973/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
ソイレント・レッドとソイレント・イエローは高機能濃縮野菜だ(大豆が材料だとの声もあり)、と冒頭のTVCMで説明される割にグリーンについてだけは海洋プランクトンが材料だ、とわざわざ説明している。
が、この映画に海は一切描写されない。(ホーム=安楽死施設で見せられる過去の映像のみ)
もうこの時点から大方の人は原材料がそうではない、と察しがついてしまう。
一番知りたかった(観たかった)のは、遺体がソイレント・グリーンという固形食物にどのように加工されていくのかという点だったので、いささか拍子抜けした。
ソイレント社の幹部サイモンソンが社内の実態を知り発狂してしまい、事の次第を口外するのではないかということで殺害されるところから物語が始まるが、もっと末端の、それこそ処理場の作業に従事している人間の方が発狂しそうだと思う。
サイモンソンの殺され方もあっさり描写。
さらに言うと交換所でソーンを暗殺しようと発砲してきた男がショベルカーでひき殺されるシーンの描写も素気ない。
全く以て人の死に関しての描写が甘い。甘過ぎる。
夜間外出禁止令なんかは設定の説明不足や必要性が感じられないものも多い。
何より僕ら世代ではこのオチは『銀河鉄道999』で、生身の人間が機械化人のエネルギーカプセルにされているという形で既に見せられている。
なので、見せ方がよほど上手くないと全く驚けない。
(注)製作はこちらの方が数年早いのですが、鑑賞する機会としては圧倒的にこちらの方が後になると思うんです、僕らの世代では...。
ただ、なぜかソルがホームで安楽死し、それを見届けるソーンの涙につられて落涙したのでこの点数。
どうでもいいことだが、「サ行」から始まる名詞がやや多すぎやしませんか?
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