[コメント] パラサイト 半地下の家族(2019/韓国)
水・雨・坂・地下。これらを格差とうまくからめて描き出した脚本にはアッと驚かされた。寄生虫は宿主がいてこその存在であり、宿主の存在が寄生虫の生を左右するのだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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天からの恵みは下流へ流れてゆくが、下へいくほど汚れて淀み、下流のものはそれに飲み込まれ溺れてしまいかねない。寄生虫は宿主を探して生き永らえなければならない。宿主はより強くなければ宿主足らない。『パラサイト 半地下の家族』はデフォルメされてはいるが、この構造が大なり小なり誰にも当てはまるということを匂わせ社会システムへの疑問と絶望感を表しているのだろう。
決定的な悪人は登場しないのに、少しの欲と純粋さが、偶然の取り繕いから下流へ下流へと流されて行ってしまう。この社会での既視感を、観客の目というカメラで丁寧に追っていく映像に唸った。コメディでありサスペンスであり恐ろしい社会派でもある。
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