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[コメント] 生まれながらの悪女(1950/米)

傑作。ジョーン・レスリーのアパートのシーンから始まる。急な階段。画家のメル・ファーラーがやってくる。この後、レスリーが廊下の鞄につまずいてこける。すると、部屋にジョーン・フォンテインが座っている。
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 続いてレスリーの恋人であるザカリー・スコットが来、レスリーと芝居見物にいく。留守番をすることになったフォンテインはソファで眠っている。そこにロバート・ライアンが登場する。というような、冒頭の主要登場人物の出入り、部屋とドアと階段を使った演出にもう唸ってしまう。

 レスリー、フォンテイン、スコット、ライアンの四角関係の映画。彼らを客観視する役回りでファーラーがからむ。これもある種のネタバレになるかも知れないが、てっきり、この5人の内の誰かの死で、プロットを転がすのだろうと思いながら見ていたが、結局誰も死なずに終わる。なおかつ、フォンテインが超然としているエンディングは奇蹟的な着地点だと思う。素晴らしい!

 ソファとフォンテイン、ソファとライアン。フォンテインとライアンが別れる場面では、ライアンがソファに寝ている。また、フォンテインが結婚後、別れたライアンを忘れられず、彼の元へ行き逢引するシーンは、ソファでのラブシーンだ。ニコラス・レイのソファ演出。

 あと、パーティ(Ball)の場面が2回あり、いずれにおいても、バルコニーからの階段を庭へ降りたところにある木陰で、フォンテインが男を誘惑する。この繰り返しの演出も見事だ。

(評価:★4)

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