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[コメント] 遊星よりの物体X(1951/米)

…さすがホークス製作。作りは殆ど西部劇と変わってない(笑)
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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 ジョン=W=キャンベルJrの「影が行く」を基にハワード=ホークスが製作した50年代SF映画の代表傑作。後にジョン=カーペンター監督によるリメイク『遊星からの物体X』(1982)が作られ、すっかりそちらにお株を奪われた感があるが、こちらはSFホラー映画の原点とも言える名作で、後のSF映画の元とも言える。日本においても大ヒットし、多くのメディアに多大な影響を及ぼす。それをようやくビデオにて鑑賞。ここに来るまでが長かったなあ。

 まあ、さすがに50年代SFと言ったところで、“物体”が人間だったり、科学的考証がやや貧弱だったりと言う部分は確かにあるが、スピーディな展開と、どんな状況に置かれても決してあきらめない人間側の努力が非常に好感持てる作りになっている。

 SFホラー作品で重要となるのは、いかにキャラクターを孤立した状況に置けるのか、と言う点にかかっているが、限定された基地の中、しかも周りは零下20度を越える世界で、人間にとって外に出る時間が限られていると言う状況をここで作り出したのは見事だった。当然登場する人間も限定されるが、その中での“物体”に対する関わり方をそれぞれの立場で主張すると言う演出も見事だ。

 監督のナイビーは長年ハワード=ホークス作品の編集を手がけた人物(ホークス監督の『赤い河』で編集賞にもノミネートされている)だが、クレジットこそされてないが、本作も重要な部分はホークスが演出したと言われている。ディミトリ=ティオムキンによるスコアも不気味さが強調されていて良し。

(評価:★4)

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