[コメント] シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(2018/仏)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
丁度日本で『シティーハンター 〈新宿プライベート・アイズ〉』(2019)がニュースになっていた頃、「シティーハンター」の実写化が出来たと言うニュースが入ってきた。しかもそれは日本ではなくフランスで。確かに大人向けアニメの「シティーハンター」のアニメは結構世界的にも結構評価されていると聞いたことはあったが、まさかフランスで作られてるとは全くの予想外だった。
劇場で観る気は無かったけど、実際に観た人のレビューなどを読んでみると、かなり評判が良い。それでDVDにて観賞。
正直相当驚いた。よくここまで見事に「シティーハンター」を実写化できたもんだ。ここまで幾多の漫画原作の実写化作品はあったが、その中でもトップクラスに再現度高い。しかもそれが日本じゃなくてフランスというのが更に凄い。
それにはいくつかの勝因があるだろう。
まず造形。「シティーハンター」の著者北条司のタッチは他の漫画家と較べてもリアルだが、日本人と言うより彫りの深いヨーロッパ人のような顔つきをしている。フランス人が演じていて全く違和感がないどころか、むしろはまって見える。ラショーの顔を見るのはこれが初めてだが、まさに冴羽獠そのまま。見事なはまりっぷりだった。オリジナル版の主要メンバーであるカオリもファルコンもきっちりそれっぽく仕上がっていて、見事な出来になってる。ここまで漫画そっくりなキャラを連れてこられたところが凄い。
あと重要な点だが、本作はちゃんとスウィーパーの使命の中に留まっているのが良い。特にこの作品の場合、新宿全体が危機とか、兵器製造業者が日本を実験場にするとか、枠組みが大きくなると、スウィーパーじゃなくてスパイアクションみたいなものになってしまうので、設定過剰でつまらなくなってしまうものだ。それに対して本作の場合は惚れ薬の特許を巡るだけの話に留めているので、肩肘張らずに見られるし、小さな事件だからこそ様々な小ネタで笑える。話を大きくする欲求を抑えつけられたのが功を奏した。
小ネタにちゃんと力が入っているのも良かった。原作にもあるような、あるいはあっても不思議でないネタが結構出てくるので、「あーこれこそがシティーハンターだな」と思わせてくれる。
一点だけ原作との違和感があったのはエッチネタ。艶笑ものの本場であるフランスの考えるコミカルなエッチネタと日本人の考えるネタとは微妙に異なるため、そこがやりすぎって感じになってしまいがち。完璧な実写化とはいえど、こればかりは文化の壁に阻まれた。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。